君は昔、近所に住んでた女の子だった
僕と君は子供の頃、ずっと一緒にいた
そして、お互い愛し合ってた
僕たちはまだ幼かったが
『大人になったら結婚しよぉね』
と約束した
そぉこの指輪を誓いに
今と同じように
僕は君の指に指輪をはめた
どうして…
僕は君との記憶を失っていたのか
こんな大切な記憶
僕と君はどうして離れてしまったのか…
ふと、君を見ると
君は僕を見て微笑んだ
…僕は君の全てを思いだした
『そっか…』
君はもう、この世にはいないんだ
そのあまりにも辛い出来事を僕は心の中に閉じ込めてしまっていたんだ
君は僕に忘れないでほしかったのか…
僕は君を強く抱きしめた
君は僕にキスをして消えていった
僕の指にはただ小さなオモチャの指輪が握りしめられていた
僕は夜明け前の夜空を見上げた
そして君の名を呼んだ
『紫苑』