「ん?…おかしぃな…」
シンが肩まで伸びた黒髪をさわりながら言った。シンは指で数を数えるような動作を見せた後、続けた。
「ここにいるのが十人、一人ずつに番号がふってあるんですよね?で、8番と13番がいないってなると…人数が合わなくなりますよね?」
「あぁ…たしかに…」
レオが納得したように顔を上げた。
「ムラサワさん…仮にここにいるのが1、2、3、4、5、6、7、9、10番として、8と13がいないなら、11と12はどこに?それともう一つ、あなたが雇った暗殺者は何人なんですか?」
ムラサワはしばらく黙った後、ため息混じりに答えた。
「いないのは8と13…彼らには“辞めてもらった”…そして、後の二人は5番と9番だ。この二人は今回遅刻していてね…仕事中なんだ…タッグでね。つまり、俺は全部で13人の暗殺者を雇い、今回のゲーム参加者は12人…」
「おいおいまてよ…」
今まで黙って話を聞いていたボムが暑そうにネクタイをゆるめながらスクリーンを睨んだ。
「殺し屋なめてもらっちゃこまるぜ…みんな気付いてるだろ?13番までいて、二人が不参加…なのに何で12人もいるんだ…一人多いじゃねぇか!」