不思議と涙は出ない
何処にいるのかも
何をしているのかも分からなくなった今この空と風だけが頼りなのか
空は繋がっている
風が思いを届けてくれる
何度も名前を呼んだ
何処までも続く空を頼りに
風の流れを頼りに
空を見上げ
風を仰ぎ
何度も名前を呼んだ
悔しさと虚しさと悲しみで一杯になった気持ちを隠すように強く名前を呼んだ
泣くつもりはなかった
泣きたくはなかった現実だと信じたくなかった
涙が乾く前にまた次の涙が溢れ出す
それでも呼んだ
呼べるだけ呼んだ
止めどなく流れる涙とは裏腹に
君の名前を呼ぶ声がかすれてゆく