ガチャッ。
ドアの開く音と同時に水嶋君がこちらを見た。
何で家の前に?
疑問はありながも、いざ本人を目の前にすると、言葉がすんなり出てこない。
「あっ…」
言い掛けた所で水嶋君が切り出した。
「突然、訪ねて来たりしてゴメン」
私は、ふるふると首を横に振った。
「どうしても気になってさ」
水嶋君の茶色い髪が揺れる。
「俺、水城ちゃんに何かしちゃったんじゃないかと思って」
待って…何か誤解してる??
「何かって、な、何で?」
焦って聞き返す。
「水城ちゃん、今日一日俺の事避けてたよね?」
(そ、それは…)
水嶋君が悲しそうな表情を見せる。何だか胸が締め付けられた。
「違うよ。水嶋君は何も悪くない」
「じゃあ、何で?」
……。
ダメだ。言えないよ。
「言いたくない事なのかな?」
いつになく、ポツリと話す水嶋君。
こんな意気地のない私のせいで彼を落ち込ませている。
わかっているのに、私は俯いて何も言えなくなっていた。
「ん、わかった」
へへっと笑って、いつもの水嶋君に戻る。
「え…」
戸惑ってる私を目の前に彼は言った。
「無理に言わなくていーよ☆言える時が来たらで」