愛さないで -4-

刹那(∵)ノ  2007-05-13投稿
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屋上まできたあたしは、手摺りの所まで歩いていき、そこに腰を降ろした。
すると声が聞こえてきた。あたしは咄嗟に扉に向かい、隠れ声がした方に耳を傾ける

「雄太くん…私、あなたが好きなの。入学したときからずっと」

「え!マジ?」

ちらりと覗いてみると、とてもかわいらしい女の子と雄太の姿。雄太が告白されているようだ。あたしから見てもお似合いカップルだった。

「付き合って下さい!!」

「まいったな…ごめん!俺好きな子いるから!」

「え…そんな…」

女の子はかなり落胆していた。余程ショックだったのだろう。雄太というと、頭をポリポリ掻いていた。

「その好きな子は誰なの…?」

「なんで言わなきゃいけないんだよ?俺、はずいから言いたくないんだけど…」

「私、それを聞かないと雄太くんのこと諦めきれない」

雄太が頬を赤らめて答えると、女の子は涙目になりながら言う

「…わかった。いうから、誰にもいうなよな?」

「うん。言わない!誰なの??」

雄太は何度か深呼吸をする

「同じクラスの沙羅だよ。あいつが好きなんだ」

「そ…っか」

女の子は落ち込み、涙しながらも扉を駆け抜けていった。

やばい… 雄太の好きな人はあたし。
もう手遅れ。告白されたら終わりだ。



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