屋上まできたあたしは、手摺りの所まで歩いていき、そこに腰を降ろした。
すると声が聞こえてきた。あたしは咄嗟に扉に向かい、隠れ声がした方に耳を傾ける
「雄太くん…私、あなたが好きなの。入学したときからずっと」
「え!マジ?」
ちらりと覗いてみると、とてもかわいらしい女の子と雄太の姿。雄太が告白されているようだ。あたしから見てもお似合いカップルだった。
「付き合って下さい!!」
「まいったな…ごめん!俺好きな子いるから!」
「え…そんな…」
女の子はかなり落胆していた。余程ショックだったのだろう。雄太というと、頭をポリポリ掻いていた。
「その好きな子は誰なの…?」
「なんで言わなきゃいけないんだよ?俺、はずいから言いたくないんだけど…」
「私、それを聞かないと雄太くんのこと諦めきれない」
雄太が頬を赤らめて答えると、女の子は涙目になりながら言う
「…わかった。いうから、誰にもいうなよな?」
「うん。言わない!誰なの??」
雄太は何度か深呼吸をする
「同じクラスの沙羅だよ。あいつが好きなんだ」
「そ…っか」
女の子は落ち込み、涙しながらも扉を駆け抜けていった。
やばい… 雄太の好きな人はあたし。
もう手遅れ。告白されたら終わりだ。
続