第一印象は怖い人だった。
いつも眉間にシワをよせて歩いてくる。
『うわぁ!また怒ってるのかなぁ…』
私はいつもそう思っていた。
レン…31歳は会社の取引先の主任だった。
いつも姿勢が良く、キレイにアイロンがかけられたYシャツを着ていた。
私、ヒナタ24歳はそんな取っつきにくそうなレンに興味を抱いていた。
最初はただの興味にしかすぎなかった。
『この人…家でもこんな恐い顔なのかな?』
とか…
『この人…家でバスローブ着てそう!』
とか、勝手に想像して楽しんでいた。
今までは仕事の話しかしたことがなかったが、想像だけでは物足りなくなった私は思い切ってレンのプライベートに踏み込んでみることにした。
作戦を考えよう…
まずは、会話だ!
でも、あんな怖い顔されるとなかなか話ずらい…
ん〜よし!顔を見なきゃいいんだ!
そんな事を考えながら思い切って初めて話しかけた会話が…
『剣道強そうな顔してますね!』
だった…
うわぁ〜ヒラメキで喋ってしまった…
案の定、レンは…
『???』という顔をしていた。
そして、クスッと笑ってくれた。
初めての笑顔を見てしまった。