友達少ないうちは、独り淋しく下校してる…。
とか言うたら、
『阿部やん、性格キツイもん』
って、水城のアホに言われた事ある。
あんたも友達おらんやん(笑)
思い出し笑い(キモイ)をしそうになりながら、ホームへ続く階段を上がる。
途中、何か後ろで視線を感じて振り返った。
「何や?何見てんねん!」
うちの真後ろにおったオタッキーな風貌の眼鏡少年に睨みを利かす。
(今、コイツうちのスカート覗いてやがった!)
少年は赤面でオロオロしだした。
「みっ、みみ見てないです!!」
嘘臭いな…って顔でヤツをジロジロ観察してると丁度電車が到着。
うちがほっといて車内に乗り込むと、少年も慌てて後を続いた。
ウザイしほっとこうと思ったうちは、ポケットから携帯を取り出す。
シカのストラップが揺れ動いた。
あ、忘れとった。電話帳からは消去したのに。
直ぐ様、ストラップを外す。
何でやて?だってこれ、アイツからのプレゼントやから。
自分がシカに似てるからゆうて買ってきよったんや。うちはそれを適当に鞄のポケットにしまい込んだ。
《次は、○○駅に到着します》
アナウスンスが流れて携帯もしまい降りる準備をする。