秋も深まるある晴れた午後、都心からは少し離れた街を放浪していた。
昭和の匂いが残る乾物屋とパン屋を足した様な店の木造サッシュをガラガラと横に引いて、いつ作ったのか聞くのが怖い様な弁当を買った。
どこで食べようかとウロウロしてたら築30年以上は経ってるだろう団地に囲まれた小さな公園を見つけた。そこは紅葉とは呼べないただの枯れ葉が敷き詰められていて噴水も何年も使われてない様で水の代わりにやはり枯れ葉で埋まっていた。錆びたブランコとシーソーがあり、砂場も枯れ葉に埋まっていた。見上げれば枯れ葉の主であろう大木と団地で空がとても遠く感じる。
とりあえずこの公園のベンチに座って弁当を置いた。座ると公園を全体が見渡せた。なんだか何十年も前から国に見捨てられた街に迷い込んだ気になり心が沈んだ。