改札出てすぐ、コンビニによった。
(今日は何食べよう。甘いもんがえぇな)
うち、何げにこの店の常連や。絶対、店員に顔覚えられてる。
あぁ、あの雑誌出てるかな？…とか考えて、雑誌コーナーへ迎う。
と、ガラス越しに見覚えのある顔を見つけた。
(オタク眼鏡！！)
こっち見てるし！何やねん！雑誌で顔を隠したけど向かってくんのがわかった。
｢あの〜｣
後ろで声がする。
読んでた雑誌を直して、ヤツの手を引いて、店を出た。レジにおった店員のにーちゃんが、何事かと見てやったけどお構いなしや。
｢何やねん、あんたは！｣
目の前でオタク眼鏡がモジモジしとる。
｢こ、これ…｣
恐る恐る差し出してきた手のひらには、ラブレター…じゃない、シカのストラップ。
…うち、落としとったんか。
｢わざわざ届けてもろーて悪いけど、それ、もういらんねん。捨てといてくれる？｣
オタク眼鏡は、はぁ…と言う顔をして、うちとストラップを交互に見とる。
じゃあなって、踵を返し立ち去ろうとしたら、オタク眼鏡が何か言うてるのが聞こえて来た。
｢お、お願いがあります。僕に付いて来て貰えませんか！？｣
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