―6年前―\r
6年前、俺は10歳。ごく普通の生活、ごく普通の家族。そんな中に俺は居た。
でも、ある日借金取りが家を訪れた。
「いい加減に金よこせやっ!」
「待ってください・・・!あと3日でいいから待っ・・・―――」
「あと3日だぁ?・・・ふざけてんじゃねぇ!!!」
「とにかく、借金を払えない奴らは・・・―――」
当時の借金を返さない場合は、”15歳以上の家族を始末してもよい”
というものだった。当時の人は金がすべて(でも、今も同じ)、だから
金を払えない奴らは殺していく。それが汚い偉い奴らのやり方。
「あっ・・・!お父さんっ、お母さん!!!!」
父親と母親の腕をロープで縛り、車に乗せようとする。
「や・・・めろっ・・・・・」
「さぁっ!早くしろっ!あっちに行って始末してやる」
「啓吾ッ・・・!啓吾ッ・・・・」
車にエンジンがかかる。
「やめ・・・ろっ・・・・」
啓吾、涙を目いっぱいに溜めて言う。
「やめろ―――――っ!!!!!」
父親と母親を乗せた車がドンドン遠ざかって、しだいに見えなくなった。
俺はこの頃から、嫌いになっていた・・・。殺す”って言葉を。
『御前が誰かを殺すなら、俺が御前を殺してやる』そぉ思ってきた。
それは今も変わらない。
俺は憎む。俺の大事な奴らを殺す者すべてを・・・―――。