…トラムを降り、通路を進む俺の足取りは重かった。この部隊を選んだ事を早くも後悔している。
しかし先程の話を聞いた以上、回れ右、というわけにもいかない。
もしかしたらアリアの計算だったのだろうか…?
もしかしたらこの先、もっとトンデモナイ事実が隠されているんじゃなかろうか…。
その時逃げないようにあの話をしたんじゃないだろうか?
そんな思いを胸に、先を歩くアリアの背中を睨む。
するとその視線に気付いたのか、アリアが振り向いた。
「そんな顔しないでよ〜。別に誰かに話さなきゃいいんだし、そしたら問題無し!ね、ねっ!?」
必死に弁解してくる。
「…そりゃそうですけど…。
部隊の他の人は知ってるんですか?」
「ほとんど知らないわね。だから喋っちゃダメよ?」
…これはストレス溜りそうだ。
俺は口は固い方だと思うが………気が重い…。
内心で溜め息をつきながら隔壁を抜けると、フワリと体か浮き上がる。
どうやら無重力区画に入ったようだ。
[リード]と呼ばれる、壁からつき出た20?程の棒を掴む。
ボタンを押すと、棒は壁に敷かれたレールに沿って進み始める。