俺の中にぽっかりと穴が空いた。
あれから、数日後、彼女は俺の訴えを胸にとめながら、一人中絶しに行った。
泣きながら、ごめんね・・ごめんね・・
そんな言葉ももう俺には届かなかった。
「ナンデ?ナンデコウナッタノ?オレタチノアカチャンハ??」
頭の中が割れそうだった。信じれなかった。
俺じゃだめだったのか・・
それから、何度か季節が変わり、今俺は新しい命を抱いている。
隣には別の女がいた。
あれから、少ししてから些細なことでよく口論するようになり、このままじゃ二人がダメになるとの結論のもと、別々の道を歩むことにした。
今ではすっかり連絡もとってないが、風の噂で去年結婚したと聞いた。
それを聞いて不思議とホッとした。俺も結婚して幸せな家庭を築いてたから少し心配だった。
けど、今を幸せに生きてるならそれでいいや。
あの通い慣れた道を歩きながら、そうつぶやいた。
俺も俺の帰るべき家に帰ろう・・。
すこし懐かしい匂いを感じながら、俺はまた一歩階段を昇ってく。