通路の奥には一際大きな隔壁。
その前には、二人の男性衛兵が立っていた。
敬礼して迎えた二人に、アリアはニッコリ笑って小さく手を挙げて応えた。
すると、片方の男性がパネルを操作する。
ゴゥン…
重たげな音をたてて隔壁が開いた。
目の前に見えたのは、真っ白な壁。
いや、さっき上から見た《ホーリー・ピーコック》の船体だ。
小型とはいえ下から見上げるとかなり大きい。
今居るのは、真っ直ぐに延ばした首の下あたりか。
辛うじて、船尾の長く延びた尾羽のような部分が確認できる。
アリアに続いて船に近付いていくと、新たな発見があった。
その装甲に、ほとんど継ぎ目がないのだ。
もちろん大きなパーツごとには分かれているのだが、それぞれは、まるで一枚の装甲で覆われているかのようだ。
その上、白磁のような白さと艶を持っている。
不思議な装甲だ。
ふと見ると船体の一部が開いている。
大きさからして、人間用のハッチだろう。
そこに人影が見えた。