友達は、何が言いたいのか…すぐには分からなかった。
「アンタと話してて、後ろで女の子の声が聞こえるんだよね。本当に誰もいないの??」
嘘をつく必要などない。
本当の事なのだ…その瞬間、悪寒が走った。
「ど、どんな声が聞こえたの?」
恥ずかしいが、あまり思考が纏まらなかった。
初めて、身の毛がよだつ恐怖を感じ、冷や汗と共に目の前がグルグルと回った…。
「聞こえたんじゃないよ…今も聞こえるよ。でも、何を言ってるのかまで、聞こえない…」
その瞬間、頭がパニックに陥り悲鳴を上げ、携帯を握り締め玄関に向かい外へ出た。
普通なら、パニックにまではならないだろう。私は、ずっとベッドでうなされて、不眠症になり体重も減り精神的、肉体的にボロボロだった…。
どうして声が聞こえるのか。どうして私なのか。
どうして、どうして…それだけが頭の中で渦を巻いていた。
友達からの電話は、知らない内に切れていた。
もう一度、電話をかけて台風の日、女の子を見た事。その子では、ないと思うが近くで自殺があった事。思うままに、全てを話した。 続く