殺し合いごっこ‐LAST CHAPTER‐第3話下

龍角  2007-05-20投稿
閲覧数[797] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「やってもいいかなぁ?
俺、童貞なんだよねぇー」

敬がにやけながら快に提案する。

「止めとけよ。マジで摩羅様にバラバラにされるぞ・・・」

「冗談だよ♪
何マジになってんだよ〜
俺がやりたい相手は摩羅様ただ一人!!」

敬は快をからかいながらも顔は至って真剣だった。

「あなた達・・・一体何なのよ・・・」

佳奈美は怯えて後退りする。

「冗談はこれくらいにしてさっさと殺るとしますか。」

敬はそう言うと腕を刀へと変化させた。
敬の眼は理性を失った危ない輝きを放っている。

その光景に佳奈美は絶句し、言葉を失う。

「いくぜぇ・・・あっちでまた会おうな。」





グサァ







敬の刃が佳奈美の胸に突き刺さる。

ズズっと腕を引き抜くと佳奈美は力無く倒れて、血が溢れ出し灰色のアスファルトを鮮やかな紅に染める。
眼は光を失い、口は半開きになって恐怖の表情を浮かべている。

「なぁ敬。」

快は倒れた佳奈美の髪を撫でている敬に尋ねる。

「この子にさっきどんなメールを送ったんだ?」


この問いに敬はこう答えた。

「《だから言っただろう?殺されるって。その顔に免じて首じゃなくて心臓を狙ってやるよ。》って送った。」

真相を聞くと快はこう言った。

「その顔に免じてか・・・確かにそっくりだもんな・・・」




もうここには彼等の姿は無い。




ここにあるのは冷たくなった佳奈美の体と紅い血。




そして喪に服した様に黒い夜の闇だけだった。




そして彼等は戻った。




彼等のいるべき世界へと。



現世編‐終

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 龍角 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]
体に嬉しい成分
スウィーツなお風呂??


▲ページトップ