薄暗い教会の中の十字架に一人の男が張付けにされている。
しかし張付けにされているのはキリストでは無く、金髪の整った顔立ちのパンツ姿の男だ。
しかしその整った顔は苦痛に歪んでいる。
そして彼の目の前には茶髪の青年 彼の名前は鬼神勇。
そしてもう一人、銀色のロングヘアーとハーフ特有の白磁の様な白い肌を持つ美女。
彼女の名は嵐山ヘレナ。
そして二人の周りには。
ナイフ
金属バット
ノコギリ
トンカチ
そして鞭。
とても危なっかしい面子が揃っている。
「喧く〜ん。早く吐いてくれないかなぁ〜。
お姉さんもう疲れちゃったんだけど。」
バチン!!
幼稚園児に言う様な口調で言うとヘレナは鞭で胸を打った。
しかも満面の笑みで。
「わあぁぉあぁ!!!」
喧と呼ばれた男は悲鳴を上げる。
「知らない・・・俺は・・・」
ゴス!!
勇は金属バットを男のスネに向かってフルスイングした。
「ワアァアァァ!!!」
「さっきから何回言わせんだぁ?あぁ!?
テメーらのアジトを吐けって言ってんだよ!!」
勇はドスの効いた声で喧を恐喝する。
「俺は・・・知らないんだ・・・信じてくれ…」
喧はさっきから自分達のアジトの情報については「知らない。」を繰り返し言っている。
「仕方ないなぁ〜言う事聞かないお子様にはお仕置が必要ですね。」
ヘレナはノコギリを勇がバットで打ったスネの部分をギコギコと切る。
ギギ…
ギギギ…
骨が削れる音と震動がヘレナの腕に伝わる。
「わかった!!もう言うから止めろぉぉ!!」
男がそう言うとヘレナはノコギリを引き抜いた。
傷は血がすぐに固まりあっという間に治癒した。
「で、どこなんだ?」
「群馬の赤城山の山中に俺らの…」
そこまで言いかけた時、ヘレナの携帯が鳴った。