契約”と口にした竜の言動にレオンの顔色が狼狽する。
だが口を固く結び。
うなづく。
『なんでもいい…力さえあれば!』
『契約にはそれ相応の”代償”が伴う、覚悟はいいな?人間』
竜は頭を起こし、レオンへと近付ける。
レオンは浚に強くうなづいた。
我に触れよ、朱き竜はレオンに告げる。
少年の手が竜の赤黒い鱗に触れる。
竜の体が赤く光り、その光が触れているレオンを伝って流れていった。
光が炸裂。
レオンは流れ込んでくる赤き光に意識が飛びそうになった。
こうして契約は成立し、互いの命を交換した竜と少年は持ち得なかった力を戦場にて発揮させた。
そしてレオンは不死の軍勢を打ち倒し、世に幸を再び募らせたのであった。
契約の代償として少年は両目を失った、失明したわけではない。
竜の眼球と入れ代わったのだ。
戦いの終わった世界でレオンは先陣切って活路を開いた英雄と呼ばれるようになった。
あざ名は…『竜眼の男』