艦の中はすっきりしていて小綺麗だった。
よくある様な、通路の天井に配管剥き出しとか、足の踏み場もないほどコードがのたくっている等ということもなく、どころか埃ひとつないほど綺麗に掃除されていた。
「案内って言ったけど…やっぱり機密の塊だからね。とりあえず、当面必要なところだけ案内するわね。」
先を行くアリアが言った。その背中に、[当面]について聞く。
「正式な配属っていつになるんですか?
その辺、聞いてませんけど。」
「…それについては[君次第]という事になる。
隊の他のメンバーに認められて初めて正式採用という事になるな。」
替わりにジョカが答えた。
「それって…試験があるって事ですか?」
まったく聞いていなかった事に動揺する。
自信がないわけではないが…。
「フッ、それほど難しい事ではない。
事実、すでに私の課題はクリアしている。」
…成程。
もしかしたらさっきのアレが課題だったのか…。
全部こんな課題だと、結構難しいかもしれない…。
食堂や医務室、娯楽室などを回って行く。