最近気づいたら咳をしている。痰が異様にからむのだ。
「そろそろ、寿命かな?」
ふっと一人で冗談をイイながら空を見上げる流音。空にはひとつ大きな雲がある。
「あのぉ…すいません。」
少年といってもいいくらいの、子供っぽい声がした。流音は自分に話かけられてることに気づいて、ペンをとめ、前をむいた。
「はぁ。どうしたんですか??」
自分と同じか少し大きいくらいの男がたっている。
「今、何時かわかりますかね??時計も人も見当たらなくて。」
男は少し困った顔をした。
「あぁ。今ですか??1時15分ですよ。授業が始まってから5分たちます。」
男は周りをきょろきょろ見る。
「授業始まってるんですか!?どおりで静かなわけだ!!あなたがここで何してるか聞いてもいいですかね??」
男はカバンをよっこらせとかけ直す。
流音が黙っていると、男は少しかがんで流音の顔をのぞいた。
「…すいません。聞いちゃいけなかったですかね??」
「あ、ちょっと疲れて、休んでるんです。」
流音はハァとため息をついてみせた。