ジョカは心底気の毒そうな顔で言った。
「我が隊、《特務大隊、ホーリー・ピーコック中隊》は、基本的に能力重視で人材を集めている。
しかし…なぜか今まで集まったのは女性ばかりでな…。
艦の乗員、150人全員が女性で構成されているんだ。」
「…もう少し解りやすくお願いします…。」
混乱していて、よく頭が働かない。
「つまり〜♪」
アリアがことさら明るく言う。
「151人目のツバサ君が、この中隊始まって以来初の男性隊員なので〜す☆
おめでとー♪ぱちぱちぱちー☆」
つまり…女だらけの中に…男は俺ひとり…?
百倍ぐらい重くなった体を振り向かせ、背後に立っていたエリナを見る。
エリナは申し訳無さそうに……ゆっくり、大きく頷いた。
グラリ…。
突如視界が回りだした。
体に力が入らない。
ぐるぐると回る視界に、遂に俺は立っていられなくなり床に倒れこんだ。
「ツバサ君!?」
「オ、オオトリさん!?
大丈夫ですか!?」
「お、おいっ、オオトリ軍曹っ!?しっかりしろっ!エリナっ!救護班を呼べ!」
自分の選択を呪いながら、俺の意識は闇に呑まれた。