ゆりかご「初恋編?」

露伴  2007-05-24投稿
閲覧数[423] 良い投票[0] 悪い投票[0]

ずっと楽しくて落ち着く。ずっとここに居たいと思った。
「ねぇ、優君?」
「ん?」
「先週遊んだとき高台に忘れ物しちゃったんだ。」
「一緒に取りに行ってほしい。そういうことか?」
「正解!いいでしょ?」
「んーどうしよっかなー?予定はないしまぁいいか。
「ありがと!じゃあいこっ!」
高台へは学校の裏から歩いて15分程度の所にある。
大体はあそこで下級生の相手をしたりして皆で遊んでいる。
「あったあった!あったよ優君!」
「相変わらずスゴイ元気だな・・。競争なんていうから息切れが・・。」
「なぁ、ちょっと疲れたから休憩しないか?」
「う〜ん、仕方ないなぁ〜。」
そうして俺たちはベンチに座りこんだ。
小さいベンチなので距離が結構近い、未だに少し緊張する。
「ねぇ、優君?」
「なんだ?」
「じぃ〜」
「な、なんだよっ。」
「あはは!赤くなってる赤くなってる!」
「う、うるさい!帰るぞ。」
「待ってよ、優君〜。」
「ねぇ、たまにはこっちで帰らないか?」
「うん、いいよ。」
普段は通ることの無い道だ。いつも通る道は舗装されているので
今はこの道を通る人はいないそうだ。
「しっかし粗大ゴミが多いなぁー、皆捨ててくのか。」
「冷蔵庫にタンス、いっぱいあるねぇ〜。」
「うっ、酷い臭いだな・・。」
「あそこの冷蔵庫に虫がいっぱいたかってるよ?」
「中身入ったままなんじゃねーのか?なんか出てるしよ。」
しかし、よく見てみると「それ」は食物なんてものじゃなかった。
『足』
足が飛び出していたのだ。黒くて、少し崩れてて、ひき肉みたいな。
「あぁ、あ・・、あ足ぃ!?」
「ひィ!!?」
「こ、このみ・・。警察、警察呼ばないと!」
「う、うん!」
がさがさ がさがさ
「うあぁ!?誰かいるのか!?」
「ゆ、優君?」
そう、紛れも無く音がした・・。茂みを揺らしながら片腕がみえた・・。
「いたんだ・・、だれか見ていたのかもしれない・・。」
「だ、誰かって見ていたのならどうして隠れるの?」
 
嫌な予感。人間に違いない。しかし、なぜ姿を消したか。
恐怖から逃げ出したなんて感じじゃあなかった・・。
そう・・、ここから・・、ここから俺たちの日常は擦り切れていく。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 露伴 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ