「ふざけやがって…」
署を出ると、辺りはすっかり闇に包まれていた。
これならバイトに間に合いそうだな。良かった良かった。
いやよくないんだけどな。
親父が死んだからって俺を疑うのは無理矢理すぎやしないかね?
犯人を探すためならどんな嘘でも突き通す警察の連中。
もう二度と関わるまいと思っていた。
忘れようとしていた。
その矢先これだからなぁ……。
出来すぎた偶然だ…。
ホント、横暴極まりないねえ。
「ねぇ」
最初、その声に気づかなかった。
らしくもない苛立ちに、俺は自分を失っていたのかもしれない。
「あなた…私の屋敷に使えない?」
俺は顔を上げ、声の主を見上げた。
「…美紀」
そこには
7年前、俺が殺した妹がいた