もう恋はしない?

じゅりあ  2007-05-25投稿
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不敵に笑う先輩の隣で今度はキャップ帽の男が水嶋君のお腹を目がけて蹴を入れる。
「うっ!」
歯を食い縛って先輩を睨み耐えている。
その態度が更に挑発させたのか、男は何度も蹴りあげた。
ドカッ!ドカッ!

「…やめて!もうやめて!」
私は耐えきれなくて、男を水嶋君から突き放す。

「何すっだ!このアマ〜」
逆上した男は私の腕を掴んで殴りかかろうとした。

「やめろー!!」
水嶋君の悲痛な叫び。
それと同時くらいに数メートル先から聞き慣れた声が聞こえた。
「おまわりさ〜ん!ココやで〜」

(阿部やん!!)
「ヤバイ!逃げるぞ」
直ぐ様逃げ出す先輩。
男は舌打ちしながらも振り上げた手を降ろし、先輩の後を追った。

「水嶋君、大丈夫!?」
私は彼に駆け寄って、ゆっくり体を起こす。
「ん、俺は何とか…。それより、水城ちゃんこそ何もなかった?」
こんなになっても、自分の事より人の事を心配する。
「こんな無茶して…」
目頭が熱くなるのを感じて、ぐっと口をつむる。
「はは、俺なさけな〜っ」
いつもの水嶋君に戻って、でも少し弱々しく笑う。

「何ゆーてんねん。ようやったで」

私の後ろで腕組みをした阿部やんが言った。


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