姉として
お前達にしてやりたかったことが三つある
一つは応援
何事にもまわりクドく強制する親父からお前達の「本当にしたいこと」を守っていてやりたかった。
二つ目は支え
周りに対して気遣い屋なお前達の吐け口であり拠り所でありたかった。
三つ目はスポンサー
お金の事を心配するお前達に周りの子と「同等」な歩き方ができるように、僅かながらでも与えてあげたかった。
周りからすれば一般家庭。恵まれていたのかも知れない。それでも心のどこかですきま風が吹き込んでいるとわかったのは、他ならぬお前達だったから。だからお互い歩み寄っては、馬鹿な話をして盛り上がってたんだよな。
今、姉は一人遠くにいる。相談なしに家を出て、戻らない人間をお前達はどう思う? 薄情だと思うか、無責任だと思うか。
どう思われても仕方ない。
もうどうでもいい。
姉は今、お前達に会いたい。