ちがう道

サクヲ  2007-05-26投稿
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気がついたらふたりは、
まったく同じ材料で、
まったく別のものを
つくっていた。

はじめる前に
ちゃんと確認して、
「せーの!」
でいっしょに、
かかりはじめたのに。

ふと顔を上げたら、
そのときにはもう、
すでに手遅れ。

なんでもう少し早く、
気づかなかったの?
涙声で、あなたが問う。
たぶん、ふたりとも、
自分のことだけ、
懸命になってたんだよ。

まるで平行に
ならんだちがう道。
同じ方をむいてるのに、
かさなり合えない。
長い時間が、
スタートラインすら、
もうわからなくした。

しゅんとなるふたり。
顔と顔を見合わせ、
ためいきだけ落とした。
もっともう少し早く、
気づけたらよかった。

足をすりぬける
風の冷たさを、
こんなにも同じく
感じるのにね。

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