素敵な恋の見つけ方11

あこん  2007-05-27投稿
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「物語の終わりが見えない…。」
ぶっちゃけたが忘れておく。
俺の名は片桐篤。日々襲撃者に怯えて暮らす高一だ。
夏休みに入り、二年とは講習が終わる時間が違うのが救いだ。
「片桐、今日は街まで出よう。」
珍しく神妙な面持ちで話しかけてきたのは久保匠。最近影が薄くなりつつある。
「なんでそんな挙動が不審なんだ?まるで絵に書いたオタクだぞ。」
「俺は模範的オタクだ。」
うわ、言い切った。
「今日は金を多めに持って来ている。人間不信に陥っても文句はあるまい。」
その割りには堂々としているが。
「いくら持って来てんだよ?」
「PS3の高い方が買えるくらい。」
「なんでだ!?」
それはかなりの大金だ。俺も犯罪に手を染めかねん。
「今年は夏を狙ってゲームが大量に出るからな。」
「あぁ…て、ちょっと待て。あの某大作ゲームとかは夏休み前に全部出たじゃねえか。」
「…何を言っているんだ。」
久保は涼しい目で俺を見る。
「最終週の金曜、つまり多くのエロゲが発売される日だ。」
「知るか!」
学生が買うなよ。
「予約だけでも四本、パケ買いの可能性も含めたらまだ少ないくらいだ。」
オタクって、金かかんだな。
「というわけで来い。」
「なんでだよ!俺にメリットねぇだろ!」
「貸してやるから。」
「いらねーって!」
意外そうな顔で久保は固まる。
「…街に出れば今は夏休み。」
そしてぽつぽつと話しだす。
「開放的な婦女子が闊歩する街中。」
…何を言いたいかわかってきたぞ。
「あわよくば他校の女子と出会ってそのまま…。」
騙されるな俺。そんなショップの付近に女の子がいるわけがない。
「うむ、今からだと駅前には女子校の生徒がいっぱいの時間だな。」
久保はさりげなくショップのメンバーズカードを落とした。
住所が見える。駅の真裏じゃん。
「って、えぇ!?あんなとこにそんないかがわしい店があんの!?」
「パソコンショップだからな。普通にあるさ。来るか?今から行けば女子校からのバスがちょうど着く頃だが。」
「行きます!」
…後から考えりゃわかったな、こいつの考えに乗ってもいいこと無いって。
まず、裏通りに女子校生は来ない。バスを降りてすぐに電車に乗るか街に繰り出すかの二択だからだ。
「仕方がないな、一緒に来い。」
「や、やめろよ!?」
いざ、魔窟へ。

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