彼女はアレル。七才の女の子。
ブロンドの髪がセクシー…まだそんなお年頃ではありませんが、
ブロンドの髪がお似合いな元気な子です。
そんな元気なアレルですが、彼女は病気持ちだったのです。緊張してしまうとすぐ発作を起こしてしまうという理由から、学校には行けず、ずっと病院に入院しているのです。
そんなアレルのお楽しみといえば、夜寝る前にママが読んでくれる絵本です。
ママは毎晩毎晩アレルに色々なお話しを聞かせてあげました。
そのこともあってアレルは大のおとぎ話好きになったのでした。
そんな毎日が続いていました。
今日もママはアレルが眠りにつくまでお話しを読んであげていました。アレルはママの温かさと優しい声に導かれグッスリと眠ってしまいました。
ママはアレルにおやすみなさいのキスをして病室から名残惜しそうに去って行きました。
何時位でしょうか?アレルはパッと目が覚めてしまいました。
それでもまだまだおねむのアレルは目を擦りアクビをして二度目の眠りにつこうとしました。
その時です。
『コンコン』
アレルはハッと起き上がりました。今度は先ほどよりも目が覚めていました。
また、『コンコン』っと音が聞こえてきました。
どうやら病室の窓から聞こえてくるようです。
アレルは言いました。
『こんな遅くにだーれ?』
音の主は答えました。
『君を迎えに来たのさ』
その声は男の子の声でした。
『あなた、私を知ってるの?』
アレルは聞きました。
『知らないよ。』
アレルはがっかりしました。
『そうよね、あたし、ずっと病院にいたんですもの』
すると男の子は言いました。
『君が誰かなんて二の次さ、君は冒険したいと強く願っていただろう?僕は君に呼ばれたんだ。君をネバーランドに連れてくために。』
『本当!?あたし、ずっと冒険に憧れてたの』
アレルは目を輝かせました。
『さぁ、行こうよ。窓を開けて!手を伸ばすんだ!』
『でもあたし、病気が…あるの』アレルは不安になりました。
『ネバーランドには病気なんて存在しないさ』男の子はウィンクしました。
『やったー』アレルは飛び回りました。
『なんかあなたピーターパンみたいね』
そう言い残し、アレルは男の子と夜の空へと旅立ちました。