「親友って何・・?英二の言う親友って」
英二は人間が嫌いだった。人間である自分も嫌いだった。そんな英二は「あなたは教育学部に行って、人が好きでたまらない人たちに愛してもらいなさい」と担任に言われこの大学に来たのだという。私は相槌もできず、ただ英二の話を聞いていた。
「奈生子は俺が初めて信じた人間なんだ。それが親友だろ?だから大事にしてた。それを奈生子はつきあってるって感じてたんだろ?」
「じゃ、英二にとって付き合うって何?」
「別れがくるものだ。だから軽いんだ。どうせ別れるんだから付き合うのは誰でも良い。」
愕然とした。何を言ってるの…じゃぁ、どういうつもりで私を抱いていたの?ここまで出かかってその言葉を飲み込んだ。それじゃまるで「付き合う」ことが「抱き合う」こととイコールみたいだから。私はじっと英二を見つめた。
「付き合うことにも永遠はあるよ。結婚とか」
そんな言葉は何の足しにもならないと分かっていた。でも何か言わなきゃって必死だった。
「結婚にも別れはくる」「英二・・親友にも別れはくるよ。」私は弱々しい声で伝えた。英二はみるみる不機嫌な顔になり今日は帰れ。明日また来いと言って私を追い出した。私は涙がとまらなかった。私は英二に本当のことを教えなければいけない・・続