「お待たせしました!面会人、蒲田さんです。」
「はじめまして、蒲田木久蔵、こうみえても54歳です。」
「どうも、高見沢です。」
蒲田さんはかなり訛りがきつい、おそらく、東北の方からきたのだろう。初対面で年齢をいう人も珍しいが、それよりも気を引いたのは、彼の驚異的な髪型である。前髪は崖のように垂直に逆立っていてもみあげは顎髭と繋がっている。そしてえりあしは三つ編みで、へそのあたりまで長くのびていて、先端で左右が結ばれている。ぱっと見、なまはげの五倍くらい強そうである。
「今日は先生にお願いがあってやってきました。」
「なんでしょう?」
「実は、おらの村で正体不明のバケモノがでたんです。みた奴の話じゃ、黒い毛むくじゃらの奴がいきなり森から出てきて、高さはゆうに3メートルはあったらしいです。」
「新種のなまはげじゃないですか?」
「もしなまはげなら怖くないとです!このままじゃ安心して家にもおれんとです。どうか、村にきてバケモノの正体を暴いてやってください!お願いします!」
続く…