「昔から雪国では、雪男やビッグフットとよばれる巨大な二足歩行の怪物がよく目撃されている。俺は、これらの正体は、マンモスのように、極寒の気温に適応した進化を遂げてきた新種の類人猿、もしくは、突然変異で巨大化した類人猿の個体ではないかと見ている。武良村は寒いし、森林も多いから、人知れず進化してきた種があっても不思議じゃない。」
「でも、どうして最近になって人里に降りてくるようになったんですか?」
「俺が思うに森林破壊が原因だ。リゾートホテル開発やゴルフ場建設で住処を追われたバケモノが食べ物を求めて山を降りてきたんだろう。」
「なんだか、人間に対する戒めみたいですね…。」
「まぁ、俺たちの仕事はバケモノの正体を暴くだけだ。辛気くさい話はこのくらいにして、寝るか。」
「あ、もう着いたみたいですよ。」
「…。」
村に着くと、蒲田が出迎えてくれた。
「ようこそ、武良村へ。さぁさ、こちらへ!」
考えてみれば、武良村、ムラムラ、なんだか嫌な響きである。
続く…