nothing world

メロ  2006-02-24投稿
閲覧数[340] 良い投票[0] 悪い投票[0]

この世界のどこでもない場所に彼はいた。

彼の存在を知る者はなく、当然、彼の名を呼ぶ者もなかった。

この世界から脱した、果てなき空間は彼の姿を浮き彫りにする。
彼はこの残酷な場所で自らをこう呼んだ。
『誰でもない人』

彼は自らに名前を付けることを禁じた。

誰でもない誰かは、いつか自分に自分だけの名を呼んでくれるであろう人を待つ。

ただ祈り。
ただ信じ。
ただ待って。


漆黒の髪の青年の名は、
『誰でもない人』

彼はもうすぐ見つける。

たとえ、それがどんな結果を迎えるとしても。
彼は掴む。
ただ一つ。
唯一の存在を…



この孤独はもうすぐ終わる。


どんなエピローグを迎えても…



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 メロ 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ