この五年で、五回家が変わった。
いつだって彼はそばにいた。
私の家に彼が来た。今度は彼の家に私が行く。
でも喧嘩ばかりしていた私達は、いつもすぐにまた自分の家を探す。
離れては元通り…何度もそんなことを繰り返して、ひとりではいられない弱さから、お互いを求めて紛らわせていたのだろう。
いつでも一緒にいた私達は、お互いに友達をなくしていた。
お互いの存在さえあれば、とりあえずは満足していたのかもしれない。
私、完全にひとりになっちゃったよ…?
彼だけを必要としてた私は愚かだったのか。
彼に追い出された。
また昔のように、戻りたい…そう思い続けて、もう半年が過ぎた。
この五年、今の家では私ただひとり。
誰も訪ねてくるはずのない家で、彼の思い出をにぎりしめる。
寂しさになんか負けない…そう思ってしまうこと自体、負けてるのかな。