「やっぱり僕の思った通り!!」
オタク眼鏡が歓喜の叫びをあげた。
私は今、世間で言う萌え系の洋服を扱ってる店の一角におる。
んで、その試着室の前で何故かメイド服なんか着て立っとる。
…何で、うちこんな格好してるんやっけ…??
目の前でカメラを取り出そうとして店員に止められる、オタク眼鏡こと、大田孝志を目で追って思い出す。
そうや、うちあの後、コイツの頼みを聞いてついてったんや。どー見ても、ラブホに連れて行けるような根性があるようには見えんかったし、わざわざストラップ届けに来たお礼やと、ちょっとだけやったらええでって言うてもうたんやった。
「ちょー、アンタ」
「は、はいっ♪」
アカン、こんなに目を輝かせてホンマに大丈夫なんか?
うちはちょっと不安になりつつ聞いてみた。
「うちにこんな格好させて、どうするつもりやねん?」
「ど、どうするつもりって、そんな(笑)そんな事するつもりはありませんよっ」
…
な、何やねん一体。
何か妙にクネクネしだしたで。
何を妄想しとんねん。
良からぬ事なんはわかる。
けど、想像するだけで吐き気が…。
「もう、ええか?」
げんなりしながら一応、聞いた。