中学二年生だった私は、当時先輩に片想いをしていた。
他の先輩に先輩に恋する友達が、手作りチョコを渡すと盛り上がっているのに釣られ、私もはじめて作ってみることにした。
一人で東急ハンズに行き、ラッピング選びにはかなりの時間を費やした。
緑のコートがよく似合っていた先輩に、緑の布でできた小箱に同じく緑の薄い包装紙を選ぶ。
リボンは、花束によく付いてる細いくるくるしたのにしよう。
ラッピングにお金を使い過ぎた…。チョコは簡単なハートの型入れにすることにした。
オリジナリティのないチョコが出来上がり、いざラッピング。
この包装紙、和紙っぽくしてみようかな。
無造作にぐしゃぐしゃと丸めたら、シワ加工みたいになると思っていた。
全然違う…それは単なるぐしゃぐしゃにしただけの包装紙だった。…
リボンはどうやったらくるくるになるのか。
必死にボールペンに巻きつけてみたものの、やはり想像と違う…。
一応持ってきたものの、半ば投げやりになっていた私は、渡せる勇気がなく、下校途中の橋でテンション低く友達と話していた。
そこへ、普段では通りかからない先輩の姿が…