「やっほー!かずきぃ!」こんな言い方をするのは自分の知る上で二人しかいない。だが片方は部活に行ってるはずだから自然と消去法で一人に搾られる。
恐る恐る和喜は振り返り声の主の目を見て言った。
「よぉさつき。・・・来るのは夜のはずでは?」 聞いたところで意味は無いだろうが一応聞いてみた。
しかし予想とは違う答えが返って来た。
「うん・・・そのつもりだったんだけどね、・・・早く来たくなったの。」
上目使いで和喜の目を見上げる。それと共に和喜は空気が変わったことに戸惑いながらも、
「まぁ・・・なんだ。・・・入れ。」
ドアを開きながら行った。
この時、さつきが不適な笑みを浮かべたのを和喜は見ていなかった。
「いやー久しぶりだねぇ、何年ぶりだっけ?」
「何が?」
言葉が欠けていて何を言っているのか解らない。「泊まりに来るの」
「なら二年ぶりだ。」
今は高校三年生、さっき話したのは小学生の頃のことだが、その間に中学生の頃に三回、高一の秋と冬に半ば勝手に泊まりに来たことが有った。その時も和喜は自分のベットを貸して上げた。和喜自体は床に布団を敷いて寝た。勿論、一部屋に一緒に寝た。しかしやましいことは一切ない。何故なら、さつきを女と見ていない。