俺はコンビニで夕食を買って家に帰る途中、妙な感覚に気づいた。
この感覚は初めてじゃない。何日か前からだ。
「(誰かがついてきてる・・・?)」
路上駐車している車のサイドミラーで後ろを確認する。
皐月がいた・・。
俺は振り返ることが出来なかった。
振り返ってしまえば今までの関係が壊れてしまいそうだからだ。
俺は急ぎ足で家の中へ入った。のぞき窓をしばらく見ていると少しづつ
皐月が近づいてくる・・。慌てて俺は顔を離し、リビングまで走った。
「なんでついてきてるんだ・・?昨日街で会ったのも偶然じゃないのか!?」
首筋が熱くなり、恐怖を感じた・・。玄関の前にいる・・!
「皐月だ!あいつが犯人で、目撃した俺を狙ってるんだ!」
あいつは俺が家の中にいるのを知っている。もしかしたら見てるかもしれない。
普段とは違う行動をしていたら、察知したのを感づかれるかもしれない・・。
俺はテレビを点け、普段どおりに行動した。
「続いてのニュースは先月の殺人事件の・・・」
「このニュースはこないだの?」
「犯人の増岡芳郎36歳は・・」
「皐月じゃない!?」
「そうだよ、私じゃないんだよ・・優君?」
「うぁあああっ!!?」
後ろに皐月が立っていた。気が動転した俺は部屋の角に逃げ込んだ。
「な・・何してんだよお前・・・、勝手に人の家に入ってくるなんて、は、犯罪だぞ・・。」
「優君、また私を犯罪者にするつもり?まぁいいよ、とっくに私は犯罪者。」
「何を言ってるんだよぉ!!?」
「うっせぇんだよッ!!今から優君のことを殺しちゃうってことだよ。」
「一体俺が何したって言うんだよ・・。」
「別に〜、このみの悲しいがる顔がみたいだけだよ。あいつのね。」
「はぁっ!?」
「いっつも、優君優君・・。いい加減ムカつくんだよ、ベタベタくっ付きやがって・・。」
「こないだだってそうだ!少し早く帰って、お前らのあとをつけて見たら・・、あーむかつく!!」
「あれはお前だったのか?」
「そう、キャーだなんて抱きつきやがって。以前起こった事件に見せかけて、このみを
追い詰めてやったんだよ・・。そしたら優君助けて・・助けて、って何度もわめいてさ!」
「こ、このみに何をしたんだ!?」
「少し虐めただけだよ・・、でもね、あんまりうるさいから殺っちゃったよ・・、フフ。」
「皐月!お前・・・!」