隣でエリナが息を呑み、アリアも真面目な顔になってこちらを見てきた。
確かに女性ばかりの中で生活をするのは大変だろう。ジョカもその辺りを気にしているのだろうが…。
「…俺は…残ります。」
ジョカが驚いた顔になる。
「いいのか?結構大変だと思うが…。」
俺が頷くと、
「それに…。」
と、前置きし、アリアをビシッと指差すと、
「“こんな”上官に命を預ける事になるんだぞ?」
「ぐさっ!ジョカってばヒドイ…。」
アリアは大袈裟に胸を押さえてのけぞる。
「…それは、確かに大佐は、威厳はないし、マイペースすぎるし、天然かと思いきや意外と計算高いし、笑顔で人を騙すし…。」
俺が言う度に、アリアはのけぞる。
最後には床にしゃがみこんで、“の”の字を書きだした。
「どーせ私なんて…詐欺師ですよー…。
威厳の欠片もないですよー…ぶつぶつ。」
なにやらぶつぶつ言っているが、無視して続ける。
「でも、大佐は…この部隊に俺が必要だと言ってくれました。
俺はそれで十分です。」
俺は笑顔で答えたが、ジョカはまだ心配そうだ。
と、その時、背後のドアから声がかかった。