月光の中で微笑む貴女へ・・・

御神楽  2006-02-25投稿
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#00 Prologue

……
………
黄昏のなかで俺と彼女は、五メートルぐらいの距離を保ちながら向き合っていた。・・・・・・いったいどれほどの時間が流れただろうか。静寂に耐え切れなくなった俺は意を決して言葉を発した。
「…俺が死ぬことで……君に平和が来るというなら、俺は…君のためにこの命を差し出そう。」
「・・・・・・・・・」
彼女は無言のまま泣きそうな顔で俺を見ていた。
「君に殺されるなら俺は本望だ。………さぁ、……一思いに…やってくれ。」
俺は目を瞑り、彼女が俺を殺すのを静かに待った。いくばくかの時が流れ、彼女が重たい口を開いた。
「………なぜ?」
俺は彼女の問いに答えるべく目を開けた。すると、いつのまにか周囲は夜の闇に包まれていた。空には満遍なく星が耀いていて、俺の真上には蒼白く光る満月があった。
「……なぜ私が………あなたを殺さなきゃいけないの?」
月光のなかで彼女はとめどなく涙を流しながら泣いていた。月光に照らされたその泣き顔に、俺は心の底から綺麗だと感じていた・・・・・・。



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