家に帰り、今日一日あった事を振り返った。
全ては偶然なのかも知れない。でも…人が死んでいるのも事実。
それも、不可解な死に方で。このまま、調査を続けていいのだろうか?。
僕はタバコに火をつけ、再び日記に目を通した。
【やっぱり…これだけじゃ分からない。彼の足跡を辿ってみるか。】
タバコを消そうとした瞬間だった。
【♪♪♪〜♪♪〜】
携帯が鳴った。
今の時間は、真夜中の1時13分。
【こんな時間に誰だ?】
携帯を手に取り、見て見ると
【08043…】
知らない番号だった。
間違いか?どうする?一瞬悩んだが出てみた。
「もしもし…」
「あっ、遠野さんですか?」
女の子の声だったが、僕には聞き覚えがあまりない。
「そうだけど、ごめん。誰だっけ」
「私は、前に優と一緒にいた理沙ですけど」
記憶が一瞬にして甦った。【証明写真】の事で話した高校生だ。
「あっ。ひさしぶり。って言うか…こんな時間にどうしたの?」
「………。理沙が…」
急に胸騒ぎがした。額から汗が流れる。
喉元まで来ているのに、言葉にならない。
唾を飲み込み僕は声を絞りだした。
「…理沙ちゃんに何かあったの?」
「………」
返答が無い。よく聞くと泣いている様だった。
「優ちゃん。理沙ちゃんに何かあったのか?」
声に力が入る。気付くと携帯を強く握りしめていた。
「…理沙が…理沙が…死んじゃったよ…」
まさかとは、思っていたが心の中に渦巻いていた言葉が聞こえてきた。
「…本当に?冗談とか?」
「うん…昨日から居なくなって。どうせまた遊んでるんだろうって思ってたんだけど…さっき、警察から話聞きたいって連絡あって」
「本当に?原因は?どうして?」
信じたくない自分と知りたい自分が、頭の中で渦を巻く。うまく考えがまとまらない。
「遠野さん。もう親が迎えに来るから、明日…時間作れますか?」
「うん。大丈夫だけど。」
「じゃあ、明日の二時にあのファミレスに来てください。私も聞きたい事あるから」
「分かった。優ちゃん…大丈夫?」
「うん。多分。もう親来たんで。また明日」
「うん。明日ね。」
【ツ…ツ…ツ…】
どういう事なんだ?俺に連絡するって事は証明写真が絡んでるのか?……………………。
いくら考えても答は出ない。