「なんかさ、あったんじゃないの?あたしにまで嘘つかなくていいんじゃない?」
そうやってあのころみたいに友達続けられる、そんなの無理なんだって
おまえがよくても俺は無理で
どうあがいたって瀬名洋子は女だし大樹鳴瀬は男だ。
好きになったんだよ、おまえのこと
「セナにだけは、言わねぇよ」
その瞬間、傷ついた『親友』の顔
屋上のドアの開く音
俺は後ろを振り向かずに走った。
親友なんて、くそくらぇだ
だってあのころには戻れないんだから
窓から見上げた空は今にも泣きだしそうで、セナの実験の行方を気にした。