「んあっ?今日も龍華いねぇのかよ?今日で一週間目だろ?」
「うん・・・藻先生に聞いたんだけど、同じことしか言ってくれなくて」
「ま、とりあえず練習しようや!」
「うん・・・」
啓吾達、外に出る。
「って言っても、やることない・・・な」
「練習・・・・」
と、啓吾達がたちが立ち尽くしていると、近くから男の声が聞こえてくる。
「お〜い!御前ら、龍華の仲間だよな?」
その男は背中に大きな斧をしょっていた。どうやら、龍華の友人みたいだ。
「えっ・・・あぁ。そぉだけど」
「龍華は、何処にいるか分かるか?」
「分からないです・・・1週間前から出かけてて・・・」
「な、なにぃっ!ほ、本当か?」
「何か用だったか?」
「いや・・・出かけたか・・・『ディーカ』の所へ行ってないといいけど」
「・・・!『ディーカ』。何で龍華さんが『ディーカ』の所なんかに?」
「『ディーカ』から手紙が来てるとかどうとか・・・」
「そ、そんなこと聞いてないぞ!!」
「ん?」
男はキョトンとしている。
「まぁ、俺はこれから『ディーカ』のアジトに行って確かめてくるつもりだ」
「あ、あぁ。気をつけてな」
「あぁ。分かってるさ。ついでに、俺の名前は儘(じん)ってんだ」
「俺は、啓吾だ。こっちは怜」
「そぉか。じゃあな!啓吾」
「あぁ」
儘は道路に止めてある車の方に向かって歩いていった。それを見送った後すぐに怜はスィークレット・カムパニーの建物の方へと走っていった。
「ちょっ、怜!!!」
怜、実験・資料室の方へ歩いていく。
「ま、まてよ!」
ドアがガラッと開く。
「藻先生!龍華さんは何処に行ったんですか?」
「龍華は、『ハイト』の所へ・・・―――」
「本当の事を言ってくだい!」
「・・・」
しばらく沈黙が続く。
「本当は龍華に口止めされていたんだけど・・・」
「・・・?」
「龍華は、『ディーカ』の所へ行ったんだ・・・」
「なっ、何でですか?」
「君達の命を守るため、さ」
「えっ・・・俺達の命を・・・?」