学校の帰り。
つるんで遊ぶ友達もいないし帰ることにした。
いつもは本屋で立ち読みするのだが、今日は本を読む気分じゃなかった。
坂道を下っていると、ウチの制服の女子が3人いた。その中の一人に目をうばわれた。スリーサイズも顔も身長も髪型もなにもかも俺のタイプだった。
今まで日本人にこんな気持ちを持ったことはなかった。むしろ、日本人といえば憎しみと植民地時代の恨みをむき出しにして、殴りかかっていた。
なんだこの気持ち・・・
すると、その子は俺に気付いた様子で目を反らしながら去っていった。
俺はその子が去っていった方を放心状態でながめていた。
ようやく意識がはっきりすると、自分が帰宅中だったことに気付き、あるきはじめた。
俺は彼女を思い浮かべながら、朝鮮人と日本人、釣り合うわけのない恋とは知りながらも、彼女のことが好きになった。
家につくと、自分の部屋に上がり、ベットに寝転がった。まだ彼女のことを考えていた。
そして深いため息をした。
「恋か・・・」
ゆくっりと目を閉じた。