〜白い蛇の死んだ理由〜
「ワシの名は、白蛇(はくじゃ)じゃ。」
と白い蛇が名乗った。そしてそれに続いてまた口を開く。
「最近、ワシが守り続けてきた山が荒らされておるのじゃ。」
「えっ、山って何処の山?それに守ってるって、どういう事?」
柚は何がなんだか分からなかった。
「話はちゃんと最後まで聞くもんだぞ、坊主。」白蛇は睨みながら言った。
「分かった…。」
と柚は言い黙った。
「ワシが守り続けてきた山とはあれじゃ。」
と言いながら尻尾で山を指した。
白蛇が指した山は学校のすぐそばにあって、白光(びゃっこう)山と言い自然で覆われていて、普段めったに人の入らない山である。
「白光山だっけ…?」
思いだすように柚は言った。
「そうじゃ。そしてワシは白光山の主なのじゃ。」と白蛇が言うと続けて
「主…?」
と柚がつぶやく。
「主というのは山を守る者の事をいうのじゃ。あの山は何年千もワシが守り続けてきた。
だが、一ヶ月前にワシは何者かに殺されてしまったのじゃ。人間ではない。何者かは分からんかったがな。」
深刻な顔をしながら白蛇は言った。柚は静かに白蛇の言葉一つ一つを聞いた。
これから何か起きるのではないかと不安を持ちながら…。
〜づづく〜