貴方は『ボクだけの姫だから』っと言って、こんな私の事を『姫』と呼んだ。
私も貴方のお姫様になりたかった。
なのに…
貴方は、もう私の傍にはいない。
私を救ってくれた王子様は泡のように消えていった。
また、私は独りぽっちになった。
貴方と出会う前のように…私はまた、消えたくなった。
貴方のいない世界なんて、私には何の意味も持たないから…。
だから、せめてもう一度だけ、貴方との想い出を宝箱に語らせて下さい。
その宝箱を抱きしめて、私は眠りにつくから。
そう…
【眠り姫】になるの。
王子様のキスは二度ともらえない。
目覚める事のない眠り姫に私はなるの。
《一年前》
『ハルカ〜、俺と1回だけやらして?』
『やだなぁ〜、もう酔っ払ってるんですか〜?』
『いいじゃん、減るもんじゃないんだし、ハルカには結構お金使ってきたよ。』
毎日毎日、こんな会話のやり取りでバカになりそう。そんなにやりたきゃ、風俗に行けよ!!
私は親がなすりつけていった借金を返す為にキャバクラで働いていた。
バカな親のせいで、私には自由がなかった。
子供の頃から、親の尻ぬぐいばかりやらされていた。