〜隣の席〜
誠はつまらなそうな顔をしながら周りを見て言った。
クラスみんなの顔が引きつった。
「真宮の席は空いてるあそこの席な。薗田の横の席。」
と出席簿で席を指しながら担任が言った。
誠が席につくと
「いつまでやってんだぁー!薗田!さっさっと着替えてこい!」
担任が怒鳴った。
「あっ、すんませんっ。」
と言い憐は慌てて教室に入った。
クラスのみんなも思い出すように笑い出す。
憐が席に鞄を置くと
「お前…ほんとドジだよな〜。しかも大遅刻だし。ほいタオル。」
と、斜め左の席の友達、真宮なぎさ(男)が言いながらタオルを憐に貸してくれた。
「おっ、サンキュー…」
と、どんよりしながら憐が言った。
「今日は朝から何があったんだよ。まったく…」と呆れながらなぎさが続けて言う。
「それがさぁ目覚まし時計が8時にセットされててすっげ寝坊したんだぁ…もぅ最悪。」
涙目になりながら憐が言った。
「…ぁりえねぇー。」
と隣の席から聞こえた。(なんだぁ?)
と思い振り向くと隣の席の誠はまた無愛想にフイっと顔をそらした。
そんな誠を見て社交的ななぎさは
「ほんとありえねぇよな(笑)
あ、俺、真宮なぎさな!同じ真宮同士よろしく」と笑顔で言った。
〜つづく〜