‐2日後‐
いつの日からか、待ち遠しくなっていた。スポーツクラブの日。
もちろん そこには、みんなの目を集めるアナタが『アイ』が居るから。
いつもの様に時間は過ぎていくのに、僕の心は この間の最後の言葉が、どうも引っ掛かる。
誰だろ?…誰だろ?
頭の中は、それしか無かった。
トレーニングを終え、1人、また1人と帰り始める。
ふと気が付くと、いつの間にか この空間には僕と彼女しか居なかった。
「ねぇアイちゃん?」無意識のうちに僕は彼女を呼んでいた。
どうしても気になるけど、本心を知って自分を傷つけたくない。という目には見えない葛藤が心の中で何度も何度も繰り返されていた。
「何?ジュンちゃん?」いつもと違う僕に彼女は気付いた。
もう聞くしかない!
そう決心した僕の心とは違う言葉を僕の声は発した…
「今度の日曜日、映画観に行こうか?」
…
…
…
「うんっ!」
何気なく、口にした言葉が、僕と彼女の距離を縮めた。
彼女との初デートの日、この日まで緊張しか出来なかった僕は、もちろん寝る事すら忘れていた。
「ジュンちゃん!お待たせっ」その声と共に彼女は駅の改札から出てきた。