時間は11時24分。映画の上映時間までまだ30分ほどあったので、僕らは近くのカフェで時間を潰す事になり、映画館を出た。
その瞬間…今まで気持ち良い程の青空は一変し、土砂降りの大雨。
交差点の反対側のコンビニで傘を買おうと人混みをかきわける。
彼女が僕を見失いかけた時、僕の左手は彼女の右手を しっかり掴んでいた。初めて彼女に触れた…大雨に打たれ、僕らは びしょ濡れで寒いはずなのに、彼女の温もりなのか、全然寒くない。幸せの暖かさを生まれて初めて実感した。
今も忘れない…その手の温もり。
混雑した街を1つの傘で僕らは歩き始めた。
カフェに着いてすぐ、僕らはカフェ・ラテを頼んだ。
いつもの様に会話は弾み、時間は光の様に過ぎて行った…