恋人未満12

カトリ  2007-06-05投稿
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哲也は、合コン三昧の毎日、そして、多数の女とのセックスにうんざりしていた。


結局、合コンをしても、奈緒に似た感じの女を探す。

どれだけ、女を抱いても、満たされる事はなく、虚しさだけが残る。


そして、日が経つにつれて、奈緒の存在の大きさを目の当たりにする。


バイトに向かう途中、奈緒の家の前を通る。


奈緒の部屋の電気は消えていた。


健吾さんと、幸せでいるだろうか。

きっと、そうに違いない。




「おっす。哲也。」


久しぶりに、学校で会った健吾の横には違う女性がいた。


「?健吾さん…何?その女。」


「彼女。」


「って、どうゆう事?」


哲也は、健吾の胸ぐらを掴んだ。


「…おいっ…哲也、もしかして、聞いてない?」


「えっ…?」





夜10時


バイトが終わり、裏口から、出て来た奈緒の目に入ってきたのは、哲也が乗っていたのと同じ車だった。


哲也が好きな、缶コーヒー。


哲也と一緒によく聴いていたCD。

哲也と一緒に買いに行ったスニーカー。


日常のほんの些細な物ごとに、哲也を感じていた。



元気かな。



また、同じ車を見つけた。


「今度は、色まで一緒…。」

溜め息がでる。



車が止まり、運転席のドアがあく。

聴き慣れた洋楽が聴こえた。



「奈緒!」



奈緒は立ちつくしていた。


目の前まで、駆け寄って来た人。


「…て…つ…」


声にならない。

涙が止まらない。

「奈緒??泣くなよ…」


「…本物…?」


「あほ。」


髪をくしゃっと撫でられる。


大きな手。


ずっと、聴きたかった声。


懐かしい、まなざし。


呼んで欲しかった名前。



「哲、私…」


言いかけた言葉を阻むように哲也は口を開いた。



「ごめん。奈緒。」


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