何はともあれ今この現状に、ため息をつく。
「何よ、ため息なんかついて?」
「俺の半径2M圏内に原因が有るよ。」
さつきは俺の目の前1M半ぐらいの所に居る。しかし、さつきは自分が原因だと微塵も思っていない様子で、首を傾げている。不意にさつきは俺の足元を見た途端、顔を引き吊らせながら小さく悲鳴を上げた。
一分後、俺とさつきは笑っていた。
「まったくゴキブリくらいで何、怯えてるんだか。」
「いいじゃない、無感動だったら逆に恐いでしょう?」
いや別に・・・。
さつきが悲鳴を漏らしたのに少なからず驚いた和喜は足元にゴキブリがカサカサ吠回っているのに気がつき、面倒臭いこと、この上無いと言った顔でため息をついた。
とりあえず新聞で叩き殺し、ティッシュで来るんで、ごみ箱にポイしておいた。
「さつきは神経図太いように見えるんだがな。」
「何言ってんのよ。これでも女の子が苦手な物はちゃんと苦手なんだからね!」
自慢しているのか?? 「虫は?」
「例えば?」
言葉が足りなかった。 「・・・カマキリ。」
「あぁ、大丈夫。」
「蜘蛛は?」
「平気。」
「カブトムシは?」
「それ無理。」
カブトとゴキブリは若干似ているか・・・