７月２３日―＼r
「もう嫌！！私、このマンションから出る！実家に帰る！！」
この間の出来事以来、神経が過敏になってしまっている。
チャイムの音。廊下を通り過ぎる足音…全てが恐ろしかった。
実家に帰りたい。
「お前の気にし過ぎだよ。鍵だって開いてなかったし…いい加減にしてくれよ！」
彼は、信じてくれなかった。
でも、あの出来事は私の想像でもないし夢でもない。
「もう、嫌なの。怖くて寝れないし、１人でアンタを待てない！」
涙が溢れる。自分は正しいのに、分かってくれない事に対しての涙。それと…恐怖に対しての涙…。
「分かった！じゃぁ、今日俺も２時まで起きてる。それで何もなかったら夢だったっと、理解するな？」
彼の提案に応じた。もし、また何かがあったら、彼の実家でもいいから行くと言う約束を交わして。
彼は、タバコに火をつけてベッドに横になり時間を待った。
私は、携帯を両手で持ち幼い女の子の様に、小さく座りこんだ。
恐怖心から、両親の声が聞きたくなり携帯で通話ボタンを押す。
（プープー…）
繋がらない？料金は、きちんと払った。なのに、繋がらない。
「おい。時間になったぞ！やっぱり何もないじゃねぇかよ。お前の気のせいなんだよ。」
時計を見ると、２時１５分。
やっぱり…私の気のせいだったの？
でも、安心した。恐怖心が少しずつ無くなっていく…。
【ブーブーブー】
フローリングの上で、けたたましく鳴る携帯のバイブ音。
一気に恐怖心が蘇る…。
さっきまで繋がらなかった携帯が、なんで繋がるの？続く
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